メキシコで学生ビザから労働ビザへの切り替える
今回お伝えする情報はかなり個人的な事例なので、ドンピシャで参考になるケースは少ないかもしれません。
それでも、部分的には参考になる方がいるんじゃないかなあと期待しての情報提供です。
私達は1年間の学生ビザでメキシコに入国しました。
そしてその間に就職活動をして無事現地採用。そのまま帰国せずに働き出すことになったので、ビザの切り替えのために必要な書類を日本から取り寄せることになりました。
ちなみに私たち夫婦のケースは、まず私の労働ビザを発行、その後妻は付帯ビザを発行してもらう、というケースです。
今現在ビザはまだ発行されていないのですが、書類を集めるだけでも結構骨が折れたので一旦まとめておきます。
箸休め |
必要書類
①大学の卒業証明書
②資格
③戸籍謄本
これに合わせて現在所持している、在留許可書、パスポートを提出します。
①、②が労働ビザの申請時に必要な書類で、③が付帯ビザの申請時に提出する書類です。
①〜③の書類にはアポスティーユが必要となります。
アポスティーユとは
アポスティーユって聞いた事ありますか?
無いですよね。
私も初めて知ったシステムだったのですが、スーパー複雑でした。
個人でも申請できるのですが、まあまあめんどくさいです。
代理で動いてくれる人が日本にいない場合は、必要経費プラス10,000円程度費用がかかりますが(英訳も依頼すればプラス8,000円)、行政書士に代行を頼む事もできます。
私は親にお願いしました。めんどくさい事を引き受けてくれた親には感謝です。
アポスティーユ (Apostille) とは、「外国公文書の認証を不要とする条約」(ハーグ条約)が定めているもので、駐日領事による認証に代わり公文書に外務省、公証人役場等が実施する付箋による証明のこと。 公印確認と異なり、公文書に直接押印せず付箋を付与する。 ーWikipediaより
要するに、大学の卒業証明書や各種資格は日本語で書かれているので、外国の機関に対しては効力がありません。そのため外務省のハンコをつける事でお墨付きをもらう、というシステムです。
遠隔で書類を揃える
さて、まずは各書類を遠隔で揃えます。
①大学の卒業証明書
これは簡単。大学のホームページにアクセスして卒業証明の発行を依頼するだけ。
私の大学は英文での発行も同料金(300円)で発行してくれました。
郵送先を国内で動いてくれる家族、友達の住所に設定しましょう。
②各種資格・教員免許
各種資格はケースバイケースですが、私の場合は教員免許状。
免許状原本をメキシコのイミグレーションに提出して無くなってしまっては困るため、その代わりとなる証明書を取り寄せます。
代わりの書類の正式名称は「教育職員免許状授与証明書」
自分の持ってる免許状を発行している教育委員会に問い合わせしました。
電話でその旨を伝えると、とても丁寧でスムーズな対応。
日本のサービスを久々に体感し、メキシコでのやり取りに慣れてきている身としては感動ものでした。
申請はホームページから可能ですが、免許状番号、授与年月日など、原本を見なくては思い出せない内容を記入することになるので、大事な書類はきちんとまとめてから外国に行くようにしないと!と、また一つ勉強になりました。
③戸籍謄本
戸籍謄本は夫婦関係を証明するために必要です。親なら委任状はいりません。
本籍地の区役所で発行してもらいました。
私たちは結婚した時点で海外に出る事を考えていたので、こういう時のために本籍地を実家にしておきました(妻が)。偉いなあ…mia。助かりました。
本籍地ってどこでも選べますが、ノリで富士山なんかにしないようにしましょうね。
箸休め 2 |
外務省に郵送でアポスティーユの発行依頼
ようやく書類がそろったら、まとめて外務省に郵送。
すると二日後、外務省から気だるい声で電話がかかってきました。
話を聞くと、大学の卒業証明は民間機関の発行した書類なので、公証役場へ行く必要があると。
”書いてありますよねホームページに。見たらわかるでしょ?”
という雰囲気で受け取れない事を伝えられました。
…いやいや、そんな事言われても全然簡単な作業じゃないし、ホームページ見にくいし、初めてのアポスティーユなのにその態度はありえへんやろ!
と心の中で思いながら、精一杯穏やかな声で詳しく公証役場での申請方法を聞きます。
でも結局管轄じゃないとの事で教えてくれませんでした。
その後も何度か質問したり確認したりで電話しましたが、外務省にアポスティーユの担当者は二人いるようで、一人はいい人で一人が気だるい人でした。
公証役場へ
続いては、気だるい人に言われた通りに公証役場へ。
大学の卒業証明のように国の発行していない書類は私文書として扱われます。
私文書を公的な書類にするためには公証役場で公証人に認証してもらう事で、晴れて公的な書類となります。
私文書を認証してもらう場合、本人は海外で代理人は親というケースで必要なものは以下の3点。
①宣誓書(DECLARATION)
②認印
③代理人の本人確認書類(免許書、パスポート、実印登録のどれか)
これを代理人に持参してもらい公証役場へ赴いていただきます。
ここでめんどくさいのは宣誓書。
公証人に書類を認めてもらう(認証してもらう)には5種類方法がありその方法がまた複雑です。
気持ちが折れそうになります。
でもここまで来たらあと少しです。がんばりましょう。
認証の種類としては面前認証(目撃認証)、面前認証(辞任認証)、代理辞任、謄本認証、宣誓認証があります。
本人ではなく代理人(親)が認証を受けるケースなので、
代理人(親)が「この書類は私が申請した息子の卒業証明書に間違いありません」
と公証人の目の前で宣誓する事により認証を受ける事ができます。
つまり、宣誓認証です。
つまりと言っていますが、深く理解はできていません。言われるがままにお願いしました。
宣誓する際には宣誓書が必要です。これの書き方について公証役場に問い合わせると、
「分かりません。知りません。」
と言われます。
何がわからないのかこっちもわからないので、教えて下さいと言っても
「分かりません。知りません。」
の一点張り。
どうやら提出先(今回であればメキシコ移民局)によって必要な様式、認証が違ってくるため、答えられない決まりのようです。
そうならそうと「〜だから答えられない。」と言ってくれればいいのに…。
宣誓書(DECLARATION)の書き方
公証役場の人が言うように、提出先によって必要な認証、様式が違うのでこれで通用するかしないかは分かりません。
これはあくまで私の作った文章です。
これで本当に有効なのか、事前に提出先に確認してから参考にしてください。
March/12/2016
DECLARATION
I , 代理人の名前 , the undersigned ,hereby
declare that the attached
Certificate of Graduation is the true original issued for my son by the President of ホニャララUniversity
on 発行年月日 .
I applied the
certificate of graduation of my son and it was issued by the president of
university. And I make this solemn declaration conscientiously believing the
same to be true and correct.
(私、 代理人の名前 はここに宣誓します。
この卒業証明書はホニャララ大学学長により 発行年月日 に
発行された原本です。
この証明書は私が大学に申請して交付してもらった私の息子の卒業証明書です。
そして、私はこの宣言が真実かつ正確であることを誓います。)
・Certificate
of Graduation of University(大学卒業証明書)
Signature
この宣誓書で公証役場の公証人にハンコを押してもらって書類を認めてもらえました。
遂に大学の卒業証明書もお墨付き(公的効力)を得ました!
お墨付きという言葉を実感できる作業です。
さて、このお墨付きを得た卒業証明書をアポスティーユしなければいけません。
なんと!お墨付きをさらにお墨付きにしなければいけません。
ここまでくるとだんだん滑稽に思えてきますが、朗報です。
大阪の公証役場ではワンストップサービスという素晴らしいサービスがあり、公証人の認証とアポスティーユを一度に取得できるのです!
ここまで来た人にだけ響く素晴らしいサービス!!
(東京、神奈川でも可能)
その場で同時にアポスティーユもつけてもらいましょう。
これでビザの切り替えに必要な書類は揃いました。あとは安心確実なEMSかDHLといった国際郵便サービスで送ってもらえれば書類集めはおしまいです。
※すべての情報は2016年春のデータです。記事の内容をご参考にしていただければ幸いですが、最終確認は必ずご自身で入念になさってください。
さあ、無事にビザは降りるか否か。
現在会社の弁護士に提出後3ヶ月待っています。