2016年10月30日日曜日

ハマベブドウ (浜辺葡萄/ Uva de Playa)を摘んでジャムを作った。

フランシスコの家族との交流は私たちにとって有意義な時間でした。
カンクンに来てようやく野生の植物について詳しく教えてくれる友達が出来たことがとても嬉しかった。
また、彼にとっても自分の知識の共有を喜んでくれる日本人の存在は興味深いようで、話し出すと盛り上がって話しが止まらない。


「今の時期はUva de Playaが旬さ。ホテレラのマングローブにくっついてたくさん実ってるはず。」

『へー。すごいね。ブドウがなってるんやね。僕らはまだ何も知らないけど、カンクンにも食べられる果物がたくさん自生してるんやね』

「いっぱいあるさ!イスラ・ブランカまで行けばヒカコも採れるし、チビータも採れるさ!チビータはセビッチェにすると最高さ〜。」

『なになにヒカコって?チビータは果物?』

「チビータはカタツムリさー」

『カタツムリか…。』


と、いう具合にたくさん食べられる物を教えてくれたけど、カタツムリはまだ少し抵抗があったので、とりあえず近くで簡単に収穫できそうなUva de Playaから始めてみました。




ハマベブドウ (浜辺葡萄/ Uva de Playa)



Uva de Playaの和名はハマベブドウ。
フロリダ沿岸からメキシコ、西インド諸島、ブラジル北部の海岸線に自生しているブドウに似た植物。
フロリダでは夏の風物詩になっていて、ハマベブドウの実をゼリーに加工した物が好んで食べられているそうです。


カンクンではホテルゾーンの手前にある公園、Jardin del Arteに自生していて
食べごろの旬な季節は8月から9月。
カンクネンセ(カンクン在住の人)はみんな知っているようで、探していると
「あっちにあるよー」や「向こうの木の下にもたくさん落ちてるよ」
などと、たくさんの人が声をかけてくれました。


メキシコ人の友人は、大学のイノベーションビジネスというクラスで、その辺に生えてるこの果実を採取して加工・販売するという課題が出たと言っていました。
好き嫌いは別として地元の人には馴染み深い木のようです。





ハマベブドウの木。
円形でお皿のような葉の形と、連なった房状の実が特徴的なのですぐに見つけられます。
木に実っているものよりは地面に落ちているぐらいのものが食べごろだそうです。
たしかに木に実っているものは熟した色でも渋味が残っていました。





見た目は完全にブドウ。
最初はなかなか食べごろの物を見つけられませんでしたが、目が慣れてくると簡単に見つかり出しました。
鳥も虫も食べまくっていますがそれでも追いつかないぐらい実りまくっています。








気がつくと木の下の足元はハマベブドウの絨毯に。
日本のヤマブドウのような野性味のあるブドウの香りが漂っています。
食べごろの見分けもつくようになると、後はひたすら一心不乱に実を拾い続けていると
いつの間にかトランス状態になり、気がつくと随分離れた場所まで来てしまっていました。
ここにはヒグマはいませんが、クロコダイルがいます。







30分ぐらいでたくさん集められました。





実をそのまま食べると酸味、渋味があり種も大きいので、そのまま食べるよりも加工して食べる方が美味しくいただけます。
今回はMiaがジャムを作ってくれました。
野性味のあるブドウの香りが力強く、美味しかったです。
フロリダ名物のハマベブドウのゼリーのレシピはこちら





一旦目が植物を認識すると、今まで毎日見ていた景色なのに見え方が変わってきます。
よく見ると街のあちこちでハマベブドウが目に入ってきます。
でも実り具合はやはり最初にフランシスコが教えてくれた通り、Jardin del Arte が一番。


見つけられて沢山収穫できたこと、ジャムにして美味しく食べたことをフランシスコに伝えると嬉しそうに笑っていました。
そして一言。

「いっぱいあったでしょ?でも一番美味しいのはやっぱりチビータさー。」


いや、カタツムリはちょっと…。
でも毎回勧めてくるし…。


なんにせよ、少しずつ好きな遊びを始められつつあるので、地元の野生の情報をシェアしてくれるフランシスコに感謝です。

2016年10月23日日曜日

カンクン近辺の地域で収穫された食材を手にいれる

ダウンタウンで毎週日曜日に開催されているチアンギス(青空市場)にて


 10月に入った頃から、常夏のカンクンの気温も少しずつ落ち着いてきた。
グアナファトで仕込んだ味噌も全部食べきってしまったので、次の味噌を仕込もうと思っていたのだが、なにしろ高温多湿。
味噌の天敵であるカビにとっては天国のような環境なので、どうしても夏の間は仕込む気になれなかった。


暑さの盛りもようやくひと段落したようなので、いよいよ味噌を仕込もうと大豆を探していたのだけど、スーパーで売っている大豆はどうも美味しくなさそうなので、地産の野菜を直売で買える場所を探していた。


すると、私たちが住んでいるレジデンシャル(集合住宅)の警備をしてくれているフランシスコが、
「それならうちの近くのチアンギスに売っているよ。新鮮な野菜を農家がPuebloから売りに来ているから」
と教えてくれた。


ちょうど私たちは、フランシスコのお父さんが持っているという土地にも興味があったので、一度見せてもらえないかと彼にお願いしていた。
お父さんも歓迎してくれたそうので、土地訪問と合わせて途中でチアンギスに立ち寄り、案内してもらえることになった。



チアンギスで売られている野菜や果物。不揃いだが生き生きとしている
























チアンギスが開催されている場所は、ダウンタウンの北側を東西に走るロペスポルティージョ通り沿い。
ポルティージョをプエルトフアレスからメリダ方面、つまり西のほうにまっすぐ行くと左手に大型スーパーのチェドラゥイが左手に出てくる。
そのチェドラゥイの反対側がチアンギスの開催場所だ。
普段はただの住宅街なのだろうが、市が立つ日には所狭しと露店が並ぶ。
生活雑貨、服、CD、魚介類、野菜、タコス、アイス、ジュース…なんでも売っているといってもいいぐらい品揃えは豊富。




魚介類。野外で売ってるがスーパーで売られているものよりも新鮮。




味噌に使う大豆を探そうと、
「フリホーレスのブランコ(白)が欲しい」
とフランシスコに伝えると、野菜を売っている人に片っ端から声をかけてくれてすぐに見つけてくれた。


そして私はこの時、メキシコの国民食であるフリホーレスが大豆ではなくていんげん豆だということを初めて知ったのだった…。



フリホーレスブランコ(白いんげん豆)発見。


さんざんチアンギスに行く前から注文していたので、白いんげん豆を購入。
大豆はSoyaですね。醤油もSalsa de soyaと呼んでいたけど、フリホーレス=大豆と思い込んでいたので結びついていなかった…。


そのほかにも蜂蜜やモリンガ、有精卵や野菜など、普段スーパーで目にするものより安くて素朴で美味しそうなものをそれぞれ生産者から購入。
途中で買い食いもはさみつつ、1時間近くぶらぶら買い物しつつ食べ歩き。
自分たちが全体のどの程度見て回ったかも分からなかったぐらい広大な範囲のマーケットでした。


探していた豆も一応 手に入れたので、カンクンと隣町のレオナビカリオ(Leona Vicario)の間にあるフランシスコのお父さんの土地へ向かった。
お父さんはなんと街から自転車。私たちより少し遅れて登場すると、すぐに敷地内に生えている植物のことを教えてくれた。














フランシスコのお父さんの土地にて


Chile max

小豆ぐらいの大きさの小さなチリ(唐辛子)の一種。
ピリッと辛く青唐辛子のような香りがクセになる。辛味は一瞬であとに引かない。
普通のチリより辛くなく、香りも辛さもちょうどいいのでこの時以降常備するようになった。

種はそのまま地面に落ちると水分に弱いため劣化してしまうが、鳥が食べることによりフンによって種がコーティングされ、そのあと発芽するそうです。
そんな複雑な経緯を経たとは思えないほど雑草のようにワサワサ茂っていました。



Chile Max(チレ・マッシュ)






Pimienta de Tabasco

タバスコ地方の胡椒の木。
シナモンとクローブとナツメグを足して3で割ったような香り。
種子も葉も非常に良い香り。
木の表皮、根も同様に良い香りでスパイスとして食用されており、種子からは精油も抽出可能。
建築材としても質が良く、農村地域でよく使用されている。
葉はお茶にしても飲める。

Pimienta de Tabasco(ピミエンタ・デ・タバスコ)


木の表面はすべすべ。大きくなると25m近くまで成長するそう。




お父さんもフランシスコも唐辛子や胡椒の他にも、生えているレモンやココナッツをあるだけ採ってどんどんくれる。
ココナッツをその場で割ってみんなで飲む。
歓迎してくれていることが伝わるおもてなしに胸キュン。



ココナッツでティータイム

一通り土地を案内してもらい、お礼を言って帰宅。
家に帰ってから、チアンギスで手に入れた食材とフランシスコのお父さんの土地でいただいた食材を早速食べてみた。


調理法は唐辛子と胡椒の葉でフリホーレスを煮込み、卵とじただけのシンプルな料理。
シンプルながらもそれぞれの食材の味、香りがしっかりと感じられ、美味。
カンクンに来て初めて土地とのつながりを感じられる食事だった。


勘違いしていた白いんげんで味噌も仕込んでみた。
どうなるかまだわからないけど、豆を潰した感触は滑らかで期待ができそうな見た目。
こちらは半年後のお楽しみ。


農家から直接野菜を買って、土地に生えている植物から採取する。
地産地消かつフェアトレードなやりとりは、体にも心にもお財布にも、そして地域経済にとっても良いサイクルだ。










2016年10月3日月曜日

メキシコで仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)を始めてみた

以前から興味は持っていたものの、なかなか手が出なかった仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)。
仮想通貨の中では基軸通貨と言われています。


これまでも、未来の世界・投資・海外送金など、いろんな場面で私たちの検索結果に引っかかってきていたのですが、複雑そうなシステムの理解にイマイチ気が乗らず、手を出せずにいました。


取引所が破綻したというニュースも耳にしましたが、私たちにとってはそのニュースがどういう意味なのか理解することすら困難でした。


しかし、メキシコペソがどんどん下がっていくのを見ていて、
「もしこのままデノミになったらどうしたらいいんだろう…」という不安のほうが強くなり、いざという時に備えてメキシコペソを動かせる準備をしておこうという話になりました。


日本に暮らしているときは経済危機や円の通貨危機なんて、半ば都市伝説のような現実味を感じられないことでしたが、新興国では珍しいことでもなく、実際に過去になんども起こっている出来事。
メキシコの通貨危機を体験した人と話すと、特に現実味を帯びてきます。




昨日出会った、御年65歳のセニョールは、
「お金の価値が何分の一にもなって、大変だったよ。。。」
と言っていました。
それはそれはとにかく大変だったと。


でも、その世代の人達はそのこと(デノミ)よりも、人生でもっと大変な出来事を幾つも経験しているので、通貨危機も人生の1ページにすぎないようです。


お金の価値が変わっても死ぬわけでもないし、大したことではないというか…。


「そんなことより昨日そこでワニが人を食べたんだぞ。」
と、さらに衝撃のニュースを被せてこられたので、結局デノミ当時の詳細は聞けずじまいでした。






こんなにビクビクしているのは私たちぐらいの気もしますが、そんなこんなでこの機会にBitcoinを始めてみたわけです。






開設の流れ


メキシコ国内で利用できるBitcoinのシステムはいくつかあり、そのほとんどの企業がYoutubeで使い方を説明してくれています。


いくつかの動画をチェックして、シンプルな説明で分かりやすかったVolabitを選びました。


口座の開設自体はとても簡単です。メールアドレスを入力してパスワードを入力。(Registarme!)
送られてきたメールを開いて自分の口座をアクティブにします。(Activar mi cuenta)
開設はこれでおしまいです。


マイページの表示もとてもシンプル。
上部にメキシコペソ、下部にBitcoinが表示されています。
最初は当然両方0です。


口座が開けば続いて入金です。
まずはメキシコペソを自分の口座に入金します。
マイページからメキシコペソの入金(Depositar)をクリック。
希望の入金金額を入力。
(最初の入金限度額は500ペソから。実際は手数料がかかるので499ペソから。)


そして、金額をどこで支払うかを選択します。
Volabitの入金を受け付けてくれるのは薬局やコンビニ、スーパーなど。(Ahorro,oxxo,extra,sorianaなど。coppelやelektraでも入金可能です。)
インターネットバンキングを利用する日本と違って、現金払いの入金です。

そう、仮想通過の口座に入金するにはコンビニまで足を運ぶ必要があるのです。
このアナログ感よ…。



支払先によって手数料が異なるので、それぞれ確認して安いところを選びましょう。


支払先を選択すると読み取り専用のバーコードが出てきます。
その画面をプリントアウトして支払先に持っていけばレジで入金することができます。


実際に何度かコンビニに持って行きましたが、店員さんは不思議そうな顔を浮かべながら受け付けてくれました。
メキシコシティやモンテレイなど経済が先進している地域ではどうかわかりませんが、ここカンクンではまだまだ浸透はしていない反応です。


さて、これで自分の口座にメキシコペソが入金されました。
あとはBitcoinのレートをチェックしながら、自分のタイミングでメキシコペソからBitcoinに両替をするだけです。








手数料など



Bitcoinを扱う時には手数料が発生します。
固定なのか変動性なのかまだはっきりわかりませんが、実例は以下の通り。


Volabit間のBitcoin送金手数料
0.1Bitcoinの送金に対して3〜4MXN


メキシコペソの入金手数料
Volabitの手数料→11MXN
支払い受け取り店(コンビニや薬局など)の手数料→8MXN


両替手数料
これは両替する金額によって変動するようです。
1Bitcoinに対して108MXN


手数料が何かとかかるようなので、自分たちが使用する状況に応じて手数料を安く抑える方法を調べて選択する必要がありそうです。


ちなみに両替や送金には15分程度時間がかかりました。
この送金時のタイムラグは、
「え?今私のお金どこに行ってるの?無くなったの?待ちなの?」
と結構不安になりました。







入金限度額の拡大



最初にVolabitの口座を開設した時点では、入金限度額は500MXN/1日に設定されています。
少額をなんども入金する場合の手数料や、口座を開設した目的である資産の移動を考えると、限度額は広げる必要があります。


限度額を広げる方法は携帯番号の認証、TwitterやFacebookなどのSNS認証から始まり、身分証明書のアップロード、直近3カ月の銀行口座残高の証明書のアップロードをすることによって入金限度額を上げることができます。


身分証明書や銀行口座の情報などは、デジカメで撮った写真をアップロードすることで認証されました。
途中で書類の不備があった場合には、登録したメールアドレスに進行状況を伝えるメールが届きました。
オートマチックな自動返信メールではなく、担当者が個別にメールをしてくれているようです。







いざ、お買い物



さて、早速MiaがBitcoinを使ってお買い物をしてみました。
買い物先はBitcoinに対応している、とあるアメリカの雑貨店。


Amazonなどと同じように買い物カゴに商品を入れて決済。
支払い通貨でBitcoinを選択。


決済ボタンをクリックすると画面には保留(Pendiente)メッセージが表示されました。
そのまましばしの沈黙…。


「えー…。また。大丈夫かな…。」


不安になりながら待つこと10〜15分。
時が来ると認証完了です。


うーん。慣れてないとちょっと不安です。
認証にかかる時間が通常のクレジットカードなどのやりとりと比べると長く感じます。
というか実際長いです。









感想



Volabitのサイトは全体的に操作性もシンプルでわかりやすいです。
サポートセンターもしっかり機能していて、質問に対してチャットですぐ返答してくれます。
決済に時間がかかかることや入金限度額の引き上げは多少面倒ですが、まあなんとか許容範囲内かな。


まだ、得もしていないし損もしていませんが、備えることができたので満足です。


使用通貨が3種類になって、それぞれ日々変動するのでだんだんよくわからなくなってきましたが、少しペソの下落も落ち着いてきたので、しばらくは安心してのんびり過ごせそうです。


開設してみようかなという方はこちらから(Volabitのページに飛びます)
Volabit




日本最大手のビットコイン取引所はbitFlyer。
海外在住者でも口座開設が認められています。
メキシコからでも開設できました。

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