フランシスコの家族との交流は私たちにとって有意義な時間でした。
カンクンに来てようやく野生の植物について詳しく教えてくれる友達が出来たことがとても嬉しかった。
また、彼にとっても自分の知識の共有を喜んでくれる日本人の存在は興味深いようで、話し出すと盛り上がって話しが止まらない。
「今の時期はUva de Playaが旬さ。ホテレラのマングローブにくっついてたくさん実ってるはず。」
『へー。すごいね。ブドウがなってるんやね。僕らはまだ何も知らないけど、カンクンにも食べられる果物がたくさん自生してるんやね』
「いっぱいあるさ!イスラ・ブランカまで行けばヒカコも採れるし、チビータも採れるさ!チビータはセビッチェにすると最高さ〜。」
『なになにヒカコって?チビータは果物?』
「チビータはカタツムリさー」
『カタツムリか…。』
と、いう具合にたくさん食べられる物を教えてくれたけど、カタツムリはまだ少し抵抗があったので、とりあえず近くで簡単に収穫できそうなUva de Playaから始めてみました。
ハマベブドウ (浜辺葡萄/ Uva de Playa)
Uva de Playaの和名はハマベブドウ。
フロリダ沿岸からメキシコ、西インド諸島、ブラジル北部の海岸線に自生しているブドウに似た植物。
フロリダでは夏の風物詩になっていて、ハマベブドウの実をゼリーに加工した物が好んで食べられているそうです。
カンクンではホテルゾーンの手前にある公園、Jardin del Arteに自生していて
食べごろの旬な季節は8月から9月。
カンクネンセ(カンクン在住の人)はみんな知っているようで、探していると
「あっちにあるよー」や「向こうの木の下にもたくさん落ちてるよ」
などと、たくさんの人が声をかけてくれました。
メキシコ人の友人は、大学のイノベーションビジネスというクラスで、その辺に生えてるこの果実を採取して加工・販売するという課題が出たと言っていました。
好き嫌いは別として地元の人には馴染み深い木のようです。
ハマベブドウの木。
円形でお皿のような葉の形と、連なった房状の実が特徴的なのですぐに見つけられます。
木に実っているものよりは地面に落ちているぐらいのものが食べごろだそうです。
たしかに木に実っているものは熟した色でも渋味が残っていました。
見た目は完全にブドウ。
最初はなかなか食べごろの物を見つけられませんでしたが、目が慣れてくると簡単に見つかり出しました。
鳥も虫も食べまくっていますがそれでも追いつかないぐらい実りまくっています。
気がつくと木の下の足元はハマベブドウの絨毯に。
日本のヤマブドウのような野性味のあるブドウの香りが漂っています。
食べごろの見分けもつくようになると、後はひたすら一心不乱に実を拾い続けていると
いつの間にかトランス状態になり、気がつくと随分離れた場所まで来てしまっていました。
北海道で山菜取り(ギョウジャニンニク)に夢中になって道に迷ったことを思い出しました。
ここにはヒグマはいませんが、クロコダイルがいます。
30分ぐらいでたくさん集められました。
実をそのまま食べると酸味、渋味があり種も大きいので、そのまま食べるよりも加工して食べる方が美味しくいただけます。
今回はMiaがジャムを作ってくれました。
野性味のあるブドウの香りが力強く、美味しかったです。
フロリダ名物のハマベブドウのゼリーのレシピはこちら。
一旦目が植物を認識すると、今まで毎日見ていた景色なのに見え方が変わってきます。
よく見ると街のあちこちでハマベブドウが目に入ってきます。
でも実り具合はやはり最初にフランシスコが教えてくれた通り、Jardin del Arte が一番。
見つけられて沢山収穫できたこと、ジャムにして美味しく食べたことをフランシスコに伝えると嬉しそうに笑っていました。
そして一言。
「いっぱいあったでしょ?でも一番美味しいのはやっぱりチビータさー。」
いや、カタツムリはちょっと…。
でも毎回勧めてくるし…。
なんにせよ、少しずつ好きな遊びを始められつつあるので、地元の野生の情報をシェアしてくれるフランシスコに感謝です。