2016年10月23日日曜日

カンクン近辺の地域で収穫された食材を手にいれる

ダウンタウンで毎週日曜日に開催されているチアンギス(青空市場)にて


 10月に入った頃から、常夏のカンクンの気温も少しずつ落ち着いてきた。
グアナファトで仕込んだ味噌も全部食べきってしまったので、次の味噌を仕込もうと思っていたのだが、なにしろ高温多湿。
味噌の天敵であるカビにとっては天国のような環境なので、どうしても夏の間は仕込む気になれなかった。


暑さの盛りもようやくひと段落したようなので、いよいよ味噌を仕込もうと大豆を探していたのだけど、スーパーで売っている大豆はどうも美味しくなさそうなので、地産の野菜を直売で買える場所を探していた。


すると、私たちが住んでいるレジデンシャル(集合住宅)の警備をしてくれているフランシスコが、
「それならうちの近くのチアンギスに売っているよ。新鮮な野菜を農家がPuebloから売りに来ているから」
と教えてくれた。


ちょうど私たちは、フランシスコのお父さんが持っているという土地にも興味があったので、一度見せてもらえないかと彼にお願いしていた。
お父さんも歓迎してくれたそうので、土地訪問と合わせて途中でチアンギスに立ち寄り、案内してもらえることになった。



チアンギスで売られている野菜や果物。不揃いだが生き生きとしている
























チアンギスが開催されている場所は、ダウンタウンの北側を東西に走るロペスポルティージョ通り沿い。
ポルティージョをプエルトフアレスからメリダ方面、つまり西のほうにまっすぐ行くと左手に大型スーパーのチェドラゥイが左手に出てくる。
そのチェドラゥイの反対側がチアンギスの開催場所だ。
普段はただの住宅街なのだろうが、市が立つ日には所狭しと露店が並ぶ。
生活雑貨、服、CD、魚介類、野菜、タコス、アイス、ジュース…なんでも売っているといってもいいぐらい品揃えは豊富。




魚介類。野外で売ってるがスーパーで売られているものよりも新鮮。




味噌に使う大豆を探そうと、
「フリホーレスのブランコ(白)が欲しい」
とフランシスコに伝えると、野菜を売っている人に片っ端から声をかけてくれてすぐに見つけてくれた。


そして私はこの時、メキシコの国民食であるフリホーレスが大豆ではなくていんげん豆だということを初めて知ったのだった…。



フリホーレスブランコ(白いんげん豆)発見。


さんざんチアンギスに行く前から注文していたので、白いんげん豆を購入。
大豆はSoyaですね。醤油もSalsa de soyaと呼んでいたけど、フリホーレス=大豆と思い込んでいたので結びついていなかった…。


そのほかにも蜂蜜やモリンガ、有精卵や野菜など、普段スーパーで目にするものより安くて素朴で美味しそうなものをそれぞれ生産者から購入。
途中で買い食いもはさみつつ、1時間近くぶらぶら買い物しつつ食べ歩き。
自分たちが全体のどの程度見て回ったかも分からなかったぐらい広大な範囲のマーケットでした。


探していた豆も一応 手に入れたので、カンクンと隣町のレオナビカリオ(Leona Vicario)の間にあるフランシスコのお父さんの土地へ向かった。
お父さんはなんと街から自転車。私たちより少し遅れて登場すると、すぐに敷地内に生えている植物のことを教えてくれた。














フランシスコのお父さんの土地にて


Chile max

小豆ぐらいの大きさの小さなチリ(唐辛子)の一種。
ピリッと辛く青唐辛子のような香りがクセになる。辛味は一瞬であとに引かない。
普通のチリより辛くなく、香りも辛さもちょうどいいのでこの時以降常備するようになった。

種はそのまま地面に落ちると水分に弱いため劣化してしまうが、鳥が食べることによりフンによって種がコーティングされ、そのあと発芽するそうです。
そんな複雑な経緯を経たとは思えないほど雑草のようにワサワサ茂っていました。



Chile Max(チレ・マッシュ)






Pimienta de Tabasco

タバスコ地方の胡椒の木。
シナモンとクローブとナツメグを足して3で割ったような香り。
種子も葉も非常に良い香り。
木の表皮、根も同様に良い香りでスパイスとして食用されており、種子からは精油も抽出可能。
建築材としても質が良く、農村地域でよく使用されている。
葉はお茶にしても飲める。

Pimienta de Tabasco(ピミエンタ・デ・タバスコ)


木の表面はすべすべ。大きくなると25m近くまで成長するそう。




お父さんもフランシスコも唐辛子や胡椒の他にも、生えているレモンやココナッツをあるだけ採ってどんどんくれる。
ココナッツをその場で割ってみんなで飲む。
歓迎してくれていることが伝わるおもてなしに胸キュン。



ココナッツでティータイム

一通り土地を案内してもらい、お礼を言って帰宅。
家に帰ってから、チアンギスで手に入れた食材とフランシスコのお父さんの土地でいただいた食材を早速食べてみた。


調理法は唐辛子と胡椒の葉でフリホーレスを煮込み、卵とじただけのシンプルな料理。
シンプルながらもそれぞれの食材の味、香りがしっかりと感じられ、美味。
カンクンに来て初めて土地とのつながりを感じられる食事だった。


勘違いしていた白いんげんで味噌も仕込んでみた。
どうなるかまだわからないけど、豆を潰した感触は滑らかで期待ができそうな見た目。
こちらは半年後のお楽しみ。


農家から直接野菜を買って、土地に生えている植物から採取する。
地産地消かつフェアトレードなやりとりは、体にも心にもお財布にも、そして地域経済にとっても良いサイクルだ。










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