色々あって、日本に本帰国することになり、メキシコペソを全て引き上げて日本へ帰ることになりました。
メキシコで定期預金にしてキープすることも一瞬考えましたが、遠隔では対応できないことを懸念して断念。
もちろん、メキシコペソのままではなく、なんとかして日本円に戻す必要があります。
普通に銀行の海外送金を利用するとものすごい手数料を取られてしまうので、私たちなりに検討し、2つの方法で資金を移動しました。
※海外送金は手数料を抑えるサービスが日々新しく出てきています。
この記事は現時点(2018年3月)で私たちが選んだ方法で、メキシコペソを円に変えたい人向けの情報です。
海外送金のサービスでは比較的評判のいい
TransferWise、私たちが日本円をメキシコに送金する際に利用した
Currency Online、この2社は現在メキシコペソの送金には対応しておらず、残念ながらメキシコペソは取扱対象外の通貨となっています。
理由はメキシコペソの国際的な信用度や、ブラックマーケットの資金洗浄(lavado dinero en mercado negro)を警戒してのことだと推測されます。
まあ、仕方ないですね…。
今回私たちが実行したのは次の2つの方法です。
①メキシコペソを米ドルに両替して、米ドル現金を日本で両替する
②メキシコペソでビットコインを購入し、日本のビットコイン口座に送金、売却し出金
結果的には、どちらもまずまずの成果でした。
①②の方法共に、タイミングを待ったので、実際のレートよりも良いレートで円に戻すことができています。
|
偽札チェック用のペン |
メキシコペソを米ドルに両替して、米ドル現金を日本で両替する
ご存知の通り、メキシコペソと日本円の現金両替レートは非常に悪く、一度ドルに変えてから両替する方がレートが良いです。
2回両替することになるのですが、それでもドルを経由する方がレートが良くなります。
まず、メキシコペソの両替は街の両替屋を利用しました。(casa de cambio)
他の街も同じ状況なのかは不明ですが、カンクンの場合、ほとんどの人(旅行者)がドルからペソへの両替をしているため、おそらく米ドルのキャッシュがだぶついています。
そのため、メキシコペソから米ドルへの両替はかなりレートが良く、リアルタイムでgoogleで確認するレートより良いレートで米ドルを売ってくれます。
主要な大手銀行や、いくつかの両替屋を回って見て、レートが良く、かつセキュリティに不安がなさそうな両替屋を選びました。
|
利用した両替屋のカード。カンクンのセントロ、ホテルゾーン、イスラムへーレスの3箇所にオフィスあり |
この両替屋はある程度大きな金額の場合、店頭に表示しているレートよりも良いレートでドルを売ってくれます。大口割引ありです。
大口といっても3000〜5000ドル程度でも割引してくれます。
全て100ドル札で受け取りたかったこともあり、事前に電話連絡して、レートの交渉、受け取る支店を伝えてもらってから両替。
レートのいいタイミングを見計らい、何回かに分けて両替しました。
この店はある程度の金額の場合、受付の横にある鍵のかかる別室で対応してくれるので安心でした。
念のため偽札チェックのペンを近所の文房具屋で購入し、両替するたびにドル紙幣を一枚ずつ確認。
結果、1枚も偽札は見つかりませんでした。
現金の持ち出しについて
さて、手元に来た米ドルですが、メキシコから海外に持ち出せる現金は一人につき10000ドルまでという上限があり、それ以上の金額を持ち出す場合は税関(aduana)に申告する必要があります。
調べてみると、2010年頃メキシコシティの空港で、日本人が悪徳職員に難癖をつけられて現金を没収されるケースがいくつかあったようです。
今回持ち帰りたかった米ドル現金は約14000ドル。
10000ドルという上限が一人当たりなのか、世帯あたりなのか微妙なところ。
いちゃもんをつけてこられた時に自信を持って返答できるようにハッキリさせておきたかったので、カンクンの税関、日本大使館、利用する航空会社であるアエロメヒコ から念入りに言質をとりました。
カンクンの税関には、空港にある黄色い公衆電話から直接質問しましたが、状況や金額を具体的に伝えたのにも関わらず、「状況による。(depende…)」といううやむやな返答。
話が通じませんでしたが、このぐらいは想定内。慣れたもんです。
日本大使館にも質問しました。
「私たちも確認を取りたくて、何度もメキシコシティの税関に確認していますが、はっきりとした回答が得られていません。ですので、私も10000ドル以下しか持ち出さないようにしています。」との回答をいただきました。
個人的な意見が出てくるところがメキシコらしいですね。
アエロメヒコはまずカンクンのオフィスに赴きました。本部に電話で問い合わせて、
「大丈夫大丈夫。問題ないよ〜♩」とユカテコらしい対応。
いい人でしたが、返答の軽さが気になります。
結果、念には念を入れて問い合わせた、アエロメヒコのメキシコシティのコールセンターの人が、一番安心できる雰囲気で対応してくれて、
「世帯当たりではなく一人当たり10000ドルで問題ない」とハッキリ答えてくれました。
彼はその他の質問(捨てることになる戻りのチケットの処理など)についても的確で、折り返しの連絡も早く、多部署への話の通し方など、仕事ぶりが信用できる人だったのでようやく安心できました。
そして、10000ドルを越える場合の税率に関しては結局誰も教えてくれませんでした。(知らないのかも?)
それだけ準備をして臨んだメキシコシティの税関ですが、あっさりとスルー。
何も問題はなく、深夜のメキシコシティの空港でぼんやりしている時に
「あれ?そういえば税関すぎたね?」と後から気がつくぐらい、あっさりしていました。
職員の質は改善されているようですね。
日本での外貨預け入れ
さて、日本に帰ってきました。
日本に持ち帰った米ドル現金を日本円に両替します。
流れとしては、みずほ銀行の外貨預金に米ドルを預け入れ、そこからマネーパートナーズのFX口座に送金し、マネーパートナーズ内で両替(円転)します。
順番に見ていきましょう。
まずはみずほ銀行に外貨預金口座を作ります。
米ドルの預け入れには三井住友銀行も対応しているのですが、1通貨あたり1円の手数料がかかります。
1ドル預けると1円持って行かれます。
預けるだけですよ?
10000ドル預ければその時点で10000円持って行かれます。
みずほ銀行は預け入れ手数料は金額にかかわらず500円。
いいですね!
…でも、銀行にお金を預けるだけなんですけどね。
なぜそこに手数料がかかるのかは納得できません。
ちなみに外貨預け入れ対応は全ての支店では対応していないので、事前にどこの支店で対応しているか、調べておきましょう。
カンクンからみずほ銀行のコールセンターにはすでに電話していて、必要書類、預け入れから送金についての流れは一通り確認済みでした。
しかし、銀行に行く当日、一応店舗に必要書類を再確認すると、そのお金がどういうお金なのかエビデンス(証明)が必要だと言われました。
メキシコでの給与証明か何かが必要だと。
「以前、確認しましたがそのような案内はされていない」
ということを伝え、前職の退職証明なら持っていると伝えると、それで大丈夫だと案内されました。
この時点で少しめんどくさかったですが、まあまあ、日本の大手だしこういう感じだよねーと、御堂筋線に乗って銀行へ向かいました。
電話での問い合わせでは、
「外貨預金にかかる手数料を支払うために、みずほ銀行の円口座から支払う必要があるので、みずほの口座を持っていない場合、まずは円口座を新規開設してください」
と案内されていました。(めんどくさい)
しかし、いざ窓口に行くと手数料は現金払いでも大丈夫ということで、すぐに外貨口座を開設できました。
続いて、送金担当者?にバトンタッチして、送金手続き依頼。
これに時間がかかりました。
送金手続きは窓口でしか受け付けていないそうなので、この日のうちにマネーパートナーズの口座に送金までしたかったのですが…
「送金理由って、自分のfx口座に送金でいいですか?」
『ええっと…、上司に確認しますね』
「この宛先欄の記入ですが、mizuho bank ですか?それともmizuho ginkoですか?」
『…上司に確認します』
「受け取り先銀行(みずほ銀行六本木支店)の住所ですが、ビル名も記入必要ですか?」
『…確認します』
と、一言一句上司に確認するのでなかなか進みません。
この辺りですでに3時間ぐらいかかっています。
bankでもginkoでもどっちでもええやん…と、普段温厚な私達も流石にぷるぷるしてきました。
友達との約束があったので時間がないことを伝えると、後日ご自宅までお伺いしますということに。
翌日、担当者の上司が最寄り駅まで来てくれて、喫茶店で手続きが完了しました。
わざわざ足を運んでくれた課長さんに聞くところによると、
最近は新規の口座開設(特に外貨)は犯罪に巻き込まれて悪用されないか、特にナーバスになっているとのことでした。
もし、私が悪巧みをして、やましいお金を動かす時には、絶対にみずほ銀行は使わないようにしようという気持ちにはなりました。
これで送金依頼は完了。
一方、送金先であるマネーパートナーズとのやりとりは常に大変スムーズでした。
コールセンターの担当者は非常に理解力が高く、どの質問にも適切に即答してくれます。
知識も豊富で、どの担当者も上司に確認することは一度もありませんでした。
金融リテラシーの差があまりにも歴然としていて、未来が占える両社の対応でした。
みずほ銀行の外貨口座から送金する、送金手数料は5000円。
よって、
みずほに米ドルを入金して送金するまでの手数料の合計は、5500円です。
さて、ようやくマネーパートナーズに米ドルがデータとなって着金しました。
あとは為替のタイミングを見て両替です。
両替手数料ですが、10000通貨まとめて両替すると
0.1円、
10000通貨未満の端数は
0.2円です。
14000通貨(14000ドル)を両替したい場合、10000×0.1=1000円
4000×0.2=800円 合計1800円です。
FXに馴染みがないと少し分かりにくいかもしれませんが、10000通貨(1万ドル)がひとつの単位となっていることが多いです。
1万円札の両替は手数料が安く、それ以外の千円札や5千円札、硬貨などの両替は手数料が少し高いというイメージですかね。
まとめるとこんな感じの流れです。
・メキシコペソを米ドルに両替
・日本に持ち帰った米ドルをみずほ銀行の外貨預金に預け入れ
・みずほ銀行からマネーパートナーズのFX口座に送金
・マネーパートナーズのFX口座内で、タイミングを見てドルから円に両替
・マネーパートナーズから銀行に出金
※マネーパートナーズから銀行へ出勤する場合手数料はかかりません。
※2018年2月のドル・メキシコペソのレートは
1ドル=18.5-18.8ペソでした。
その期間、カンクンの両替屋では
1ドル=17.9-18.1で両替できました。
②メキシコペソでビットコインを購入し、日本に送金
続いて、ビットコインを利用した海外送金について。
流れとしては、
bitsoでビットコインを買います。
そのビットコインを日本の
bitFlyerに送金。
着金したら円に両替して、銀行に出金。
以上。
非常にシンプル。
この作業をしていたのは2018年2月。
ビットコインの相場自体は緩やかな下落トレンド。
下落はしているものの、日々の値動きはまずまず緩やかでした。
bitsoでビットコインを購入する場合、現在の売値より少し下に指値を入れておいて購入。
購入したらすぐに日本のbitFlyerに送金していきます。
着金までは大体30分以内。
bitFlyerに着金したら現在の買値より少し高めに指値を入れて置いて、売却。
最後にまとめて出金。
手数料ですが、bitsoでビットコインを購入する際には、
購入価格の1%がかかります。
ビットコインの送金手数料はこの時期、
1回につき約1ペソ前後でした。(約6円)
bitFlyerから銀行に円で出金する際の出金手数料が1回につき
754円でした。
ビットコイン自体の値動きに不安があったので、米ドルの両替と同様に、何回かに分けてこの作業を行いました。
7〜8回かな。
当時のレートが
1ペソ=5.7円程度でしたが、
諸々の手数料を抜かれても、
1ペソ=5.85円で送金することができました。
例えば100000ペソだと57万円相当ですが、それを58万5千円で送金、両替までできたと言うことになります。
まとめるとこんな感じの流れです。
bitsoでビットコイン購入
bitsoからbitFlyer に送金、売却
bitFlyerから銀行に出金
結論としては、圧倒的にビットコインで送金した方が楽でしたね。
コストも低く抑えられ、レートも良かった。
2017年の年末に仮想通貨が高騰した時期、送金手数料がかなり値上がりしました。
(ビットコインは現在のシステムでは取引量が多くなると送金手数料が高くなってしまいます。)
しかし、徐々に新しい技術が導入されて、送金手数料も安く安定するようになってきています。
仮想通貨での海外送金は、まだ一般的ではないと思います。
まだまだ開発が続いている新しい領域で、各国の法整備も現在進行形で変化している状況です。
コールセンターのように質問に答えてくれる人もいないので、自分で調べてリスクを判断する必要があります。
ただ、今回2通りの方法で実際に資金移動をしてみた感想としては、非常に便利なシステムでした。
銀行に法外な手数料を払うことも、現金を偽札チェックしてなんども数えることも、税関の不安も、わざわざ電車に乗って行って口座を開設して待たされることもありません。
最後は、従来式の大手銀行と現在進行中の仮想通貨のどちらに信頼を持てるか、という事になってくると思います。
私にとっては自分の経験こそが信頼なので、今回は良い体験となりました。
なお、いきなり大きな額をビットコインで送金するのはおすすめしません。
しばらく自分でビットコインを持ってみて、値動きを体感して、少額の資金移動を試してみれば、感じることがあると思いますよ!
bitsoの口座を開設する手順は
こちらからどうぞ
bitfFlyerの口座開設は
こちらからどうぞ (海外在住者も開設可能です)