それぞれの極楽。韮崎・房総半島・那須
日本は本当に温泉天国で、各地で様々な湯が溢れ出ています。私たちは3ヶ月弱の旅の間に約30カ所の温泉を巡りました。
特に北東北、北海道は良質な温泉がたくさんあったので、とても贅沢な日々でした。
あまりにもたくさん選択肢がありすぎて、どれにしようか悩んでしまうぐらいでしたが、私たちが温泉を選ぶ基準は”源泉掛け流し”でした。
源泉掛け流しとは、地中から湧き出た源泉の有効成分を損なわずに、湯船に新しい湯が注ぎ込まれ続けている状態です。あふれた湯を循環ろ過させていない事も重要です。
塩素消毒されていない事も気にして選んでいましたが、湯を適温にするための加水、加温は気にしていませんでした。中には源泉成分が薄まらないように加水をしないで、湯を1日寝かして温度を下げているような温泉もいくつかあり、そのこだわりにシビれていました。
限りある資源を有効に使っている循環ろ過の方法と、貴重な源泉を掛け流す温泉。どちらも両立している今の日本の状況はとてもよいバランスで、様々な温泉を楽しめると思います。
そこでまずは関東地方、都内から日帰りで行く事が出来るいくつかの素晴らしい温泉をご紹介します。
ちなみにPH(ペーハー)が3以下で酸性泉、7.5以上でアルカリ泉、その間は中性泉と呼ばれています。
山梨県 韮崎旭温泉 旭の湯 PH8.2 弱アルカリ性
ここのお湯は炭酸泉。極上の”泡つき”です。湯船に入るとエメラルドグリーンのぬるめの湯が細かな泡と共に身体中にまとわりついてきます。ツルツルスベスベシュワシュワ。
玄関や浴槽に張り紙があって、日本中の温泉を回って3000カ所回った結果の全国第2位らしいです。ちなみに1位は北海道帯広のアサヒ湯、3位は青森の蔦温泉。その後両方訪れたのでまたお伝えします。
湯船から立ち上がると富士山が見えます。座ると見えなくなってしまうのがおしいところですが、日本2位は納得。相当気持ちが良いお湯です。
千葉県 七里川温泉 PH7.9 弱アルカリ性
続いては千葉県は房総半島の真ん中らへんにある七里川温泉。山の中に突然現れるこの温泉には、なんと玄関入ってすぐに囲炉裏があるんです。食材の持込可で炭代が一人驚きの200円!!宿の方にも海の幸山の幸がお手頃価格で用意されています。
私たちが訪れた時には岩城滉一みたいなおじさんが、炙って飲んで、炙って飲んでを延々やっておられて非常に羨ましかったです!
「俺は今まで最高8時間温泉に入り続けたことがあるよ!飯も酒も風呂まで持ってきてもらうんだ!」
と長風呂武勇伝を楽しそうに話されてました。
お湯も柔らかく、露天の景色も良いです。今度はぜひ泊まって、おじさんのように囲炉裏&温泉を堪能したいです。
栃木県 那須温泉元湯 鹿の湯 PH2.5 酸性
前の二つはアルカリ性の湯でツルツルスベスベ美人の湯系ですが、こちらは酸性泉。酸性が強いと肌がチリチリしてきます。ここの湯はそれほど刺激は強くなかったのですが、湯船の温度が41度から48度まで、6種類ありました。奥に行けば行くほど温度は高くなり、高温をものともしない猛者たちが湯治をしています。湯治の雰囲気が強いのと、酸性泉の刺激で子供は半泣きでした。
浴場の入り口にはひしゃくで高温の湯を大人は200回、子供は100回頭にかぶってくださいという、かぶり湯のコーナーがあります。酸性が強いためお湯が目に入らないようにとの注意書きも見られました。
これがまた激アツで子供は絶対無理なのですが、シャンプーなしでもこの熱々のかぶり湯をすれば頭はスッキリ髪の毛サラサラになります。(洗い場はないので、どちらにせよシャンプーはできません)
1300年前からあるとか、松尾芭蕉が立ち寄ったとか、歴史を感じる名湯です。
どの温泉も個性的な源泉掛け流し!何かのついでに行けたらラッキーで、温泉だけを目指しても満足できる時間になるかと思います!
2015年8月31日月曜日
2015年8月29日土曜日
メキシコで1年間の学生ビザを申請する方法
グアナファト大学の場合 -Universidad de Guanajuato-
とても長い道のりでしたが、ようやくメキシコでの在留資格(1年間)の申請が完了しました!
振り返ってみると順調に一つ一つクリアできていたのですが、対応している時は不安でいっぱいの日々でした。
同じようなケースの情報も少ないし、スペイン語もよくわからないし…挙げ句の果てには、私たちが申請するタイミングで申請条件が急に変更になったりもしました。
なにかと手間はかかりましたが、観光ビザ(Tourist VISA)で滞在する場合と比べて、在留資格を持つ事でメリットは増えます。
現地で銀行口座も作れたり、車の免許を申請したりする事ができるので生活の質がずいぶん向上します。
メキシコは手続きのルールが変わりやすいです。
下記内容はあくまで2015年現在の情報です。
誰かの参考になりますように。
おおまかな流れは下記の通り。
1 メキシコ大使館(東京)にてビザの申請・面接
2 メキシコ国内の移民局で在留届を提出
1. メキシコ大使館のHPを参考にして学生ビザの申請に必要な書類を揃える
【必要書類】
・入学許可書
・カラー写真
・経済証明
・査証申請用紙
・パスポートの原本とコピー
・入学許可書
まず、留学希望の大学(私たちの場合はグアナファト大学)に、入学許可書を発行してもらうようメールで依頼しました。
しかし、1カ月近くたっても返事が全然なかったので、Skypeで電話連絡しました。
すると「迷惑メールフォルダに入っていたので確認できませんでした」との事。
自分たちでも問い合わせていましたが、同時にカナダに住んでいる日本人の友人のルームメイト(スペイン語ネイティブのエクアドル人)が大学側に進捗状況の確認・催促作業を手伝ってくれました。
電話でややこしい文言を確認するのはかなりストレスのかかる作業だったので、本当に助かりました。
日本とカナダの二方向から、つついてつついて、ようやく許可書を発行してもらいました。
カラー写真
写真で重要なのはとにかくおでこと耳が完全に出ている事!
センター分けぐらいでは通用しません。
完全にオールバックです。
女性が一つくくりにしておでこを出していても、少しでも髪がおでこを隠しているとアウトでした。
生え際を全て見せて欲しいようです。
私たちが持参した写真は二人とも認めてもらえず。
メキシコ大使館の近くのビッグカメラで900円の写真を撮りなおすハメになりました。水でもジェルでもいいから、とにかく完全オールバックです!
経済証明
そして、経済証明。これ、2014年の時点では、
980万円の口座残高証明、もしくは直近3カ月で毎月8万円の収入証明が条件でした。
夫婦で片方が仕事をしてる場合は、どちらかが経済証明をして学生ビザを発行後、付帯で申請できると。
ちなみに付帯申請の条件は、
直近3カ月にわたり継続して月17万円を有する証明でした。(口座に3カ月間継続して17万円をキープできていたらOK)
980万と毎月8万のハードルの高さが違いすぎて、ゆったり笑って構えていました。
が、しかし!!!
無情にも2014年10月に法律が変わり、条件が変わりました。
新しい条件は、
直近3カ月に渡り継続して55万円を有する証明、もしくは直近3カ月で毎月6万円以上の収入証明。
毎月の収入証明は下がりましたが、残高証明は17万円が55万円に跳ね上がりました。
夫婦で共働きなら問題ないのでしょうが、うちは生活費の口座をまとめていた事もありMia名義の口座で55万円を保持している口座がなかったので困りました。
おいおい!急にそれはないわー!! と突っ込む相手はメキシコ政府。
あまりにも遠かったです。
結局Miaは2つの銀行の口座を合算して、提出しました。
・査証申請用紙
メキシコ大使館のホームページからダウンロードしましょう。
2.メキシコ大使館に面接の予約を入れる→面接
メキシコ大使館の面接可能な時間は平日の9:00から13:00。
日本でビザの発給をしているのは東京にある大使館だけなので、そこそこ混んでいます。希望の日時があるのなら、最低1カ月前には連絡した方が確実かと思います。
大使館についたら最初に必要書類を提出。
順番を待ちます。
私たちは提出した瞬間、「この写真では申請不可です。取り直して来てください」と却下されました。
面接は英語かスペイン語で行われるとのことだったのでドキドキでした。
最初に面接の言語を聞かれ選択できます。
聞かれたのは、スペイン語を学びたい理由、なぜメキシコでスペイン語を学ぶのか?(スペインじゃなくて)といった内容で10分くらいだったと思います。
Miaはメキシコ留学を選んだ理由を「安いから」と答えて反感を買っていました。
私はそれを踏まえてメキシコの歴史、遺跡、文化に興味があると答えると「Perfect!」でした。
10時からの面接予定でしたが、書類の不備(写真の撮りなおし)や待ち時間が2時間ぐらいあって疲れました。
面接が終わったのが1時くらい、ビザの受け取りが3時。
1日仕事と思っていた方が無難です。
これで日本での手続きはおしまい。
3.居住地域のMigracion(移民局)で在留者カードに切り替える
さあこれでようやくメキシコに入国です。
でも、手続きはまだ終わっていません。
この段階ではメキシコ大使館領事の発行した学生ビザの有効期限は180日。
メキシコ入国後30日以内に、居住地の移民局で在留者カードに切り替える必要があります。
日本でやったのは何だったんだ…と思わずにはいられませんが、そういうもんと割りきって同じような作業を淡々と進めていきます。
この先メキシコ生活で待ち受けるさまざまな「めんどくさい」の小手調べのようなものです。
グアナファト州の移民局は隣町のサン・ミゲル・デ・アジェンテ(San miguel de allente)にあります。
セントロと呼ばれるグアナファトの中心部から、町外れのバスターミナルまで行き、そこから長距離バスで向かいます。
グアナファト〜サンミゲル間は時間にして1時間半ぐらい、料金は1等が片道130ペソ(現在1ペソ7〜8円です。)、2等が98ペソです。
サンミゲルの移民局 |
・1回目
私たちは諸々の確認のために下見に行って必要書類を確認しましたが、移民局のHPに情報は載っており、申請用紙(2種類)のダウンロード、印刷も可能でした。
HP、申請書類の記入は全てスペイン語なので、メキシコ人の友人に内容を確認してもらって記入しました。
・2回目
前回もらった書類(2種類)に必要事項を記入して、写真、パスポートのコピー、空港で渡されるツーリストカードの半券を提出します。
移民局の前にはインターネットカフェ、写真屋もあるので、当日写真を撮ってもらうことも可能です。
私たちは手書きで記入する申請用紙の他にもう1枚、オンラインで入力しなければいけない申請用紙があることを理解できておらず、準備できていませんでした。
慌てて移民局の前にあるインターネットカフェで入力してプリントアウト。
店員さんも慣れているようで、
「ここには住所を入力して…ここは入力しなくても良いよ」
と、優しく教えてくれました。
写真はここで撮ると120ペソ。
グアナファト市内では50ペソでも撮ってくれますが、日本での取り直しの思い出が頭をよぎり、無難な道を選びました。
もちろん完全オールバック。
もう恥ずかしくありません。
・3回目
前回の登録に不備がなければ、4、5日後に移民局のHPにマイアカウントでアクセスすると「OKです」的な内容が表示されます。
その表示が出てから3日後以降に移民局へ向かいます。
私たちはこの"3日後以降"が理解できずに"3日以内"だと思い込んでしまいました。
3回目の移民局に行って、半券ちぎって順番を待って窓口に向かうと、
「まだですよ。3日後以降ですよ。」と言われました。
「えー!!!
こっちは往復4時間以上かけて来てるし、スペイン語今から勉強するっていう語学力な のに、ややこしい表現なんか理解できるわけないやん!!!」
と、お願い(?)すると、移民局の中でも最も優しそうな方がその場で登録してくれました。
両手の指10本の指紋を取り、幾つかの書類にサインをして全ての行程が終了。
10日後に、受け取りです!
何事も一回言ってみる、というのはメキシコ生活のポイントです。
・4回目
いよいよ一時在留者カードの受け取り。
日本で書類も写真も提出したのに4回もサンミゲルに来たことも、ここまでくるといい思い出になっているはず。
そしてついに!ついに入国した日から1年間の期限で在留者カードが発行されました!!
カードと一緒に幾つかの書類も一緒に渡され、サインをして無事申請完了です。
長い道のりではあるものの、学生ビザの場合、申請に関する費用はかかりません。
無料です。
(もちろん、大使館がある東京までの交通費、写真代、移民局があるサンミゲルまでの交通費など諸経費はかかります)
大学の費用は2015年8月現在1セメスター(8月〜12月)で10341ペソ。
米ドル設定なのでレートによって日々金額は変動していましたが、私たちは2セメスター、つまり1年間の申請なので一人あたり約14万〜15万円でスペイン語留学できるという事です。
安くないですか?プライベートスクールより断然安く、大学の授業にも満足しています。
すべて自力でやるとそれなりに大変ですが、経験値も増え、金額も最低限でできます。
もちろんお金を払えば面倒なビザの申請をすぱっとやってくれる業者もあると思うので、時間とお金と相談して、最善の方法を選択してください。
素敵なメキシコライフをお楽しみください!
2015年8月24日月曜日
だれでも簡単・確実に収穫できる山菜
フキ
縄文時代は狩猟採取を中心とした生活様式を続けていたそうですが、そのDNAはまだ私たちに残っているのでしょうか。
自然の中から見つけて摘んで食べる。私の最初の記憶で残っているのはピーピー豆(カラスノエンドウ)です。生で食べたので、美味しくなかったですね。ただ「豆」という名前だけを信じて食べていました。
ツツジの花の蜜を吸ったり、その辺に生えてる柑橘系の果物を取って食べたり、美味しいからではなく、好奇心から色々食べてみた記憶があります。
そんな風に本能的に採取を楽しめる時期はすぐに終わりました。しかし、嬉しいことにまたその感覚を味わえる状態に戻ってくることができました。知識を持ってさえいれば、日本では美味しい山菜・野草をたくさん採取することができます。
きのこ採取も同じなのですが、興味はあるけど食べて体調を崩したり、間違えて違うものを食べてしまうのが怖くて、なかなか一口目に至らないこともあるかと思います。
しかし、山菜は多くの愛好家が楽しみにしているので、群生している辺りや、これかな?と思った植物の近くには、間違いなくそれを目当てに来ている人がいます。
私たちもいろんなところで山菜を採取して楽しむことができましたが、大体どこもその界隈での最年少です。採取のタイミングや方法、正しく見分けることができているか、わからないことは先輩方が優しく教えてくださるので聞くと間違いないでしょう。
山菜の王様と呼ばれている(その界隈だけで)"タラの芽"も取り方にマナーがあったりします。一番上の先端の芽は"太郎っぺ"、その下から生えてくる脇芽は"二郎っぺ"と呼ばれていて、環境保護のため、採取して良いのは太郎っぺだけと言われています。
山の中でおじいさんに「太郎っぺだけだぞ!」とか言われたら、なんだか嬉しい楽しい気分になりそうですね。
どの山菜・野草もにも言えることですが、何度か収穫するとだんだん植生や、どのくらいの量を採取しても負担がないか、というのことがわかってくると思います。
目が覚えると山を見る目が変わってきて、以前は目にも止まらなかった地味な山道や畔が宝の山に見えてきます。
そんな山菜の中でも最も見分けやすく見つけやすいのがフキです。
蕾はフキノトウ(3〜5月)、大きくなるとフキです(4〜6月)。
独特の良い香りがあるので、間違うこともないと思います。
沢や道沿い、少し湿った場所に群生していて、ツクシが出ているような場所にはほぼ出ています。
フキノトウは天ぷらにしたり、細かく刻んで味噌と絡めたりすると香りも残り、美味しいです。フキノトウ味噌は保存食にもなり、白ご飯(おにぎりが特におすすめ)にもお酒のアテにも最高です。
春先、茶色い落ち葉が積もっているような場所に鮮やかな黄緑色のフキノトウが出ているとぴかぴか光っているようです。残雪の中のフキノトウもピカピカです。一度認識すると、その後はすぐに見つけることができると思います。
大きくなったフキは茎の部分を食べます。一度下茹でしてアクを抜き、筋を取って食べます。煮物、炒め物と野菜のように食べることができます。フキの良い香りは健在で、塩などに漬け込むと長期保存も可能です。佃煮にすると"きゃらぶき"ですね。
今年の春は北海道にいたのですが、春の北海道は野菜が高く、フキに大変助けられました。本州でも昔、冬に野菜がない時期には、重宝されたそうです。
アイヌの伝承に出てくる妖精コロポックルもフキの下に住んでいたと言われていて、昔から人間にの縁のある山菜のようです。
蕾から茎まで食べられて、保存もできて見つけやすい、みんなに優しいフキです。
縄文時代は狩猟採取を中心とした生活様式を続けていたそうですが、そのDNAはまだ私たちに残っているのでしょうか。
自然の中から見つけて摘んで食べる。私の最初の記憶で残っているのはピーピー豆(カラスノエンドウ)です。生で食べたので、美味しくなかったですね。ただ「豆」という名前だけを信じて食べていました。
ツツジの花の蜜を吸ったり、その辺に生えてる柑橘系の果物を取って食べたり、美味しいからではなく、好奇心から色々食べてみた記憶があります。
そんな風に本能的に採取を楽しめる時期はすぐに終わりました。しかし、嬉しいことにまたその感覚を味わえる状態に戻ってくることができました。知識を持ってさえいれば、日本では美味しい山菜・野草をたくさん採取することができます。
きのこ採取も同じなのですが、興味はあるけど食べて体調を崩したり、間違えて違うものを食べてしまうのが怖くて、なかなか一口目に至らないこともあるかと思います。
しかし、山菜は多くの愛好家が楽しみにしているので、群生している辺りや、これかな?と思った植物の近くには、間違いなくそれを目当てに来ている人がいます。
私たちもいろんなところで山菜を採取して楽しむことができましたが、大体どこもその界隈での最年少です。採取のタイミングや方法、正しく見分けることができているか、わからないことは先輩方が優しく教えてくださるので聞くと間違いないでしょう。
山菜の王様と呼ばれている(その界隈だけで)"タラの芽"も取り方にマナーがあったりします。一番上の先端の芽は"太郎っぺ"、その下から生えてくる脇芽は"二郎っぺ"と呼ばれていて、環境保護のため、採取して良いのは太郎っぺだけと言われています。
山の中でおじいさんに「太郎っぺだけだぞ!」とか言われたら、なんだか嬉しい楽しい気分になりそうですね。
どの山菜・野草もにも言えることですが、何度か収穫するとだんだん植生や、どのくらいの量を採取しても負担がないか、というのことがわかってくると思います。
目が覚えると山を見る目が変わってきて、以前は目にも止まらなかった地味な山道や畔が宝の山に見えてきます。
そんな山菜の中でも最も見分けやすく見つけやすいのがフキです。
蕾はフキノトウ(3〜5月)、大きくなるとフキです(4〜6月)。
独特の良い香りがあるので、間違うこともないと思います。
つぼみ。やや開き気味ですが美味しく食べられます。 |
雪解けすると顔を出します |
沢や道沿い、少し湿った場所に群生していて、ツクシが出ているような場所にはほぼ出ています。
フキノトウは天ぷらにしたり、細かく刻んで味噌と絡めたりすると香りも残り、美味しいです。フキノトウ味噌は保存食にもなり、白ご飯(おにぎりが特におすすめ)にもお酒のアテにも最高です。
春先、茶色い落ち葉が積もっているような場所に鮮やかな黄緑色のフキノトウが出ているとぴかぴか光っているようです。残雪の中のフキノトウもピカピカです。一度認識すると、その後はすぐに見つけることができると思います。
大きくなったフキ |
大きくなったフキは茎の部分を食べます。一度下茹でしてアクを抜き、筋を取って食べます。煮物、炒め物と野菜のように食べることができます。フキの良い香りは健在で、塩などに漬け込むと長期保存も可能です。佃煮にすると"きゃらぶき"ですね。
今年の春は北海道にいたのですが、春の北海道は野菜が高く、フキに大変助けられました。本州でも昔、冬に野菜がない時期には、重宝されたそうです。
アイヌの伝承に出てくる妖精コロポックルもフキの下に住んでいたと言われていて、昔から人間にの縁のある山菜のようです。
蕾から茎まで食べられて、保存もできて見つけやすい、みんなに優しいフキです。
2015年8月20日木曜日
地方への移住生活が体験できる、山形・岩手・北海道の移住体験住宅 オススメ3選
私たちは4月から6月にかけて、東北、北海道を”将来住みたい場所を探す”ことをテーマとして旅をしてきました。
しかし、この約3ヶ月の間、ホテル・旅館の利用はたったの2泊だけでした。
友人の家や、友人の実家にお世話になったり、キャンプをしたり…
その中でも興味深い宿泊体験だったのが、各地方自治体の支援制度である”移住体験住宅”でした。
全国には移住者の受け入れに積極的な自治体がたくさんあります。
ある自治体の職員の方は、
「地方自治体では移住者の取り合いですよ。どうすれば来てもらえるのか、頭をひねっています。」
とおっしゃっていました。
この制度は各自治体ごとに工夫されていて、それぞれターゲットを若者、家族、農業従事者などに向けて発信されています。
例えば、
”20年住めば土地建物を無料譲渡”
”体験ツアー参加で5万円キャッシュバック”
”幼稚園完全無料”
などなど、年度ごとに企画は変わっていますがサービスの供給が需要を上回っている状態です。
私たちが今回の旅でお世話になったのは山形県長井市、岩手県九戸群広野町、北海道夕張郡長沼町の3件。
利用期間は自治体によって異なり、1泊から最大1カ月まで利用可能でした。
個人的な目線にはなりますが、それぞれの町の印象や体験住宅の条件をお伝えします。
全て平成27年度の条件で、利用期間はそれぞれ選択可能な利用期間の最長です。
山形県長井市
・利用期間:1週間
・費用:無料
・ウェブサイト:http://furusato-nagai.net/
・農業を検討の方にオススメ
長井市は水が良いので、何を作っても料理が数倍美味しくなりました。
おそらく、住民の方たちが街の景観を保とうとする意識が高く、大きな看板広告や高い建物はほとんどありません。
垣根や門のない家も多く(小学校も門はあるけど塀はありませんでした。)、
すれ違う子供たちが皆、向こうから挨拶をしてくれるのが嬉しかったです。
木造の小学校の建物がとても綺麗でした。
木造の長井小学校。登録文化財。 |
長井の体験住宅。広い。 |
長井市の人口は3万人弱。
体験住宅の敷地内にある、泉質抜群の掛け流し温泉「桜湯」に、営業時間中いつでも無料で入ることができる。
新規就農者に対するサポートサイト
http://agrin.jp/
新規就農者に対するサポートサイト
http://agrin.jp/
北海道夕張郡長沼町
・利用期間:1カ月・費用:約3万円
・ウェブサイト:http://www.maoi-net.jp/teijyu/top.htm
・車があれば札幌には通える距離です。
街で働いて自然の近くに住みたい方にオススメ
夕張郡長沼町は地図で見ると北海道の中心に位置している。
札幌や小樽まで車で1時間ぐらいで行くことができ、車移動の場合だと、道内のアクセスが良い場所です。
人口は約1万人。
体験住宅のすぐ近くにある、図書館の本が大変充実していました。
湧き水に山菜と、京都とは比較にならない自然の豊かさにやられました。
北海道の自然はスケールが一回り大きく、ゆとりがあります。
近くの山で採れた山菜 |
岩手県九戸郡洋野町
・利用期間:10日間・費用:5000円
・ウェブサイト:http://www.town.hirono.iwate.jp/
・大野木工と呼ばれる木工品が盛んで、研修生も募集しています。
木工職人を検討している方にオススメ
こちらは洋野町までの交通費を、最大で1.5万円まで支給してもらえます。
とても良心的ですね。
NHKの朝ドラ"あまちゃん"の舞台の街の隣町です。人口は1.8万人。
2011年3月11日に起きた東日本大震災。
被害が大きかった東北3県の沿岸部ですが、洋野町は奇跡的に犠牲者が0人だったそうです。
過去の津波の経験から対策を講じられ、日頃から顔の見える地域づくりを目指して、訓練を積み重ねておられたそうです。
洋野町滞在中に地震があった時、揺れがそれほど強くなかったため、私たちは気がつきませんでした。
すると、近くで駐車場で誘導の仕事をされていた方が、
「今地震があったんですよ。津波が来たらあそこに見える高台に、あの道を通って避難してください。津波がある場合は警報がなりますので注意しておいてください」
と冷静に、的確に指示を与えてくださいました。
体験住宅があった場所は内陸で、小一時間ぐらい車を走らせると種差海岸や八戸に行く事ができるという場所。
山の暮らしでした。
私たちは海より山が好きなので、とても気持ちよく過ごせました。
地域の小学校の給食も、地元の野菜をふんだんに使っているそうで、道の駅では新鮮な野菜が豊富に揃っていました。
九戸の北、八戸の朝市で。 せんべい汁、鰊の昆布巻き、うにめし。 それぞれ350円、80円、500円! |
それぞれの街の感じ方は人それぞれ好みだと思います。
なんらかの理由で移住を考えている場合、ホテルや民宿に泊まって下見をする場合と、実際にその場所に住んでみるのとでは、大きく印象も変わるかと思います。
食材、景観、教育環境、人や土地の雰囲気を肌で感じる事のできる機会は、移住を検討している人たちにとっては貴重です。
そんな移住者を待っている街、町もたくさんありそうです。
私たちも、実際幾つかの街に住んでみて、将来住みたい場所を見つけました。
移住を検討している方には、人口の減ってきている地方にまた違った自分の舞台がありますよ。
2015年8月3日月曜日
沢の水を生活用水として取水する方法
大鹿村
長野県、南信州に大鹿村という素敵な村があります。
自然は激しく、住んでいる人々は魅力的です。
そこで生まれ育ったHさんは、数年前に友人達と協力して、制作期間1年半でログハウスを建てられ、そこに住まれています。
山を背に家があり、庭、というにはあまりにも広いスペースですが、そのなだらかな傾斜のスペースを田畑にして美味しい野菜やお米を育ててらっしゃいます。
人生のほとんどの時間を自然と共生しながら生活されているので、遊びに行くと山の事、植物の事、物を作る事など、たくさんの知識を伝えてくださいます。
どの分野の知識も大変興味深く、家の作り方、土の作り方、山菜の見分け方など、知りたい事は山ほどある私たちでしたが、今回訪れたときには水の引き方を教えてくださいました。
ここでは沢の水を生活用水として使用されています。美味しい水です。
沢の水は鹿の糞による細菌や、上流に動物の死骸があったり、温泉が近い場所だと酸性の水だったりと、素人には安全かどうかの判断が難しいところがありますが、地域の人が昔から飲んでる沢の水は問題なく飲めると思います。
まず、取水口ですが、家の水道の位置より高い場所から取水します。当然ですが、水は高いところから、低いところへと流れていきます。しかし都会で育った私たちは、入り組んだ山の高低差が全体としてつかめません。順に水路を辿って行って初めて理解できました。
水は黒いパイプ(黒パイ)で引いていきます。
堰堤(砂防ダム)に堆積した土砂が天然のろ過装置となっています。
取水口から水道までの間に水タンクを経由させていますが、これは水量の安定化ためです。ここでもう一度砂や石などを使って再度ろ過してもよいそうです。
タンクでろ過した水を、地形に合わせて黒パイで運んでいきます。
このようにして、家まで水を運んでいます。仕組み自体はシンプルですが、地形に合わせたパイプのコース取り、木、石の使い方などよく工夫されています。
同じ条件の環境であれば、自分達でもできそうです!
滞在最終日、Hさんが「畑を少し狭くする」とのことで、山側の斜面に常緑針葉樹のトウヒ(唐檜)を60本、一緒に植えました。
長ければ700年ほど生きる木だそうです。
未来の自然のために、苗木を買ってきて、土を起こして、木を植える。
当たり前のように淡々と行動されている姿には感じるものがありました。
Hさんと未来の話しをする時、主語が「生きとし生けるものが…」とよくおっしゃいます。
人間だけの未来を案ずるのではなく、植物、動物、山、などすべてに対して同じ気持ちで調和を保つことが大切なんだよと、話してくださいます。
植えた木が森になって、花が咲いて動物が住んでくれたら…想像すると楽しみです!
長野県、南信州に大鹿村という素敵な村があります。
自然は激しく、住んでいる人々は魅力的です。
そこで生まれ育ったHさんは、数年前に友人達と協力して、制作期間1年半でログハウスを建てられ、そこに住まれています。
山を背に家があり、庭、というにはあまりにも広いスペースですが、そのなだらかな傾斜のスペースを田畑にして美味しい野菜やお米を育ててらっしゃいます。
人生のほとんどの時間を自然と共生しながら生活されているので、遊びに行くと山の事、植物の事、物を作る事など、たくさんの知識を伝えてくださいます。
どの分野の知識も大変興味深く、家の作り方、土の作り方、山菜の見分け方など、知りたい事は山ほどある私たちでしたが、今回訪れたときには水の引き方を教えてくださいました。
ここでは沢の水を生活用水として使用されています。美味しい水です。
沢の水は鹿の糞による細菌や、上流に動物の死骸があったり、温泉が近い場所だと酸性の水だったりと、素人には安全かどうかの判断が難しいところがありますが、地域の人が昔から飲んでる沢の水は問題なく飲めると思います。
まず、取水口ですが、家の水道の位置より高い場所から取水します。当然ですが、水は高いところから、低いところへと流れていきます。しかし都会で育った私たちは、入り組んだ山の高低差が全体としてつかめません。順に水路を辿って行って初めて理解できました。
水は黒いパイプ(黒パイ)で引いていきます。
取水口。堰堤(えんてい)がろ過装置になっています。 |
黒パイを突っ込んで石で固定 |
堰堤(砂防ダム)に堆積した土砂が天然のろ過装置となっています。
取水口から水道までの間に水タンクを経由させていますが、これは水量の安定化ためです。ここでもう一度砂や石などを使って再度ろ過してもよいそうです。
タンクを経由します。 |
タンクでろ過した水を、地形に合わせて黒パイで運んでいきます。
このようにして、家まで水を運んでいます。仕組み自体はシンプルですが、地形に合わせたパイプのコース取り、木、石の使い方などよく工夫されています。
同じ条件の環境であれば、自分達でもできそうです!
添え木をして川を越え、家へ。 |
滞在最終日、Hさんが「畑を少し狭くする」とのことで、山側の斜面に常緑針葉樹のトウヒ(唐檜)を60本、一緒に植えました。
長ければ700年ほど生きる木だそうです。
未来の自然のために、苗木を買ってきて、土を起こして、木を植える。
当たり前のように淡々と行動されている姿には感じるものがありました。
いつか、ここも森の一部になる。 |
Hさんと未来の話しをする時、主語が「生きとし生けるものが…」とよくおっしゃいます。
人間だけの未来を案ずるのではなく、植物、動物、山、などすべてに対して同じ気持ちで調和を保つことが大切なんだよと、話してくださいます。
植えた木が森になって、花が咲いて動物が住んでくれたら…想像すると楽しみです!
登録:
投稿 (Atom)